段落と見出し

【この記事で紹介する内容】

1. 段落

段落とは
  • 文章(エッセイ・論文・その他)全体を構成する論理的なユニット(単位、まとまり)のことを指します。
    ※注意 テキストの内容がフォーマルかインフォーマルまたはセミフォーマルかを考えて選ぶこと。
段落の扱い方
段落の明示と指示書き手が意識的に行います。
基本的には気ままに改行してまとめるものではありません。
段落開始の組み方改行して示します。(「段落改行」または「強制改行」と呼びます。)
例外的・特殊な場合時として論理的でない段落改行をする場合もあります。
第1段落の扱い第1行目を字下げする必要がないとするスタイルもあります。
決まりごと
テキストの段落指示デザイナーは勝手に直してはいけない。
テキストの訂正作業編集者または書き手。
編集者の立場と責任出版者のハウル・ルール(ある特定のスタイル)に則って、主に表記の統一やテキスト全体の構成(見出しや段落)などをチェックします。
書き手の立場と責任文章の全責任を負っているので、自由に納得ゆくまで直せます。
組版の種類(スタイル)
① ジャスティファイド(Justified style)

「箱組み」というフォーマルでオーソドックスな組み方。 ジャスティファイド(Justified style)

【特徴】
  • 紙面に整然とした静的で安定した印象を与えるため、安心してテキストに集中できます。
  • 行末での単語の分綴が避けられません。※ハイフネーション設定を忘れて分綴を無理に避けると、語にレータ・スペースが自動的に挿入されてしまいます。 なお、単語の分綴が避けられない場合には、次の行以降に分綴が続かない事。なぜならば、不完全な綴りが続くため、読み手の目が行頭で迷いかねないからです。
  • 語間が一定しない事もあり得ますので、全体的にホワイト・スペースのばらつきがあります。
  • 段落(強制)改行では、インデントが必要になります。
② アンジャスティファイド(Unjustified style)・ラギッド(Ragged style)

インフォーマルなので、注意しましょう。

フラッシュ・レフト(Flush left)・ラギッド・ライト(Ragged right)

フラッシュ・レフト(Flush left)・ラギッド・ライト(Ragged right)

ハードラギットとは、各行の長さの差が大きい組み方。

【特徴】
  • 全体に動的な印象を与えるので、テキストの内容にふさわしい場合に限ります。
  • 行末の語の分綴を妨げます。
  • 語間が均等になるため、読みやすいです。そのため、リヴァーという語間の不揃いから生じる組版上をタテに流れる目障りな白いスペースを妨げることができます。
  • 新しい段落の始まりでは、インデントを広めるとる必要があります。
  • 長い行の次は短い行にするなど、工夫して読みやすくする必要があります。
  • 段落間に行間よりも広いスペースを挿入できます。
  • ソフト・ラギットとハード・ラギットがあります。
・フラッシュ・ライト(Flush right)・ラギッド・レフト(Ragged left)

フラッシュ・ライト(Flush right)・ラギッド・レフト(Ragged left)

【特徴】
  • 目の動きが行頭を捉えにくいことから、めったに選ばれる事はありません。
  • 特殊な必然性がある場合にのみ選ぶ組み方です。
  • 長い行には適しません。図版の左側にキャプション程度などで使用することが普通です。
  • 全体に動的な印象を与えるので、テキストの内容にふさわしい場合に限ります。
  • 行末の語の分綴を妨げます。
  • 語間が均等になるため、読みやすいです。そのため、リヴァーという語間の不揃いから生じる組版上をタテに流れる目障りな白いスペースを妨げることができます。
  • 新しい段落の始まりでは、インデントを広めるにとる必要があります。
  • 長い行の次は短い行にするなど、工夫して読みやすくする必要があります。
  • 段落間では行間よりも広いスペースを挿入できます。
  • ソフト・ラギットとハード・ラギットがあります。
③ センタード(Centered)……左右中央組み、中軸組み

フォーマルな組み方です。

【特徴】
  • 行頭が不規則で掴みにくいため、行が多い組みには不適格です。
  • 各行がそれぞれ完結した文(または意味の切れ目で改行)の場合が理想的です。
  • ページの下または中央にレイアウトする場合、一番下の行は最も短く組みます。

④ その他の特殊なスタイル

ダイヤモンド(Diamond indention)・ハーフ・ダイヤモンド(Half - diamond indention)

上の両方とも、かなり特殊な組み方なため、使われ方は限られます。
主に広告などの短いテキストにだけ使用が可能です。

ディセンディング・ステアステップ(Descending Stair - step)・アセンディング・ステアステップ(Ascending Stair - step)

※アセンディング・ステアステップに限り……行頭が前の行よりも段々に飛び出すため、圧迫感や抵抗感を感じるため、あまり好ましくないです。

ピラミッド(Pyramid)・インヴァーテッド・ピラミッド(Inverted Pyramid)

※ピラミッド……あまり読みやすいとは言えません。
※インヴァーテッド・ピラミッド……ピラミッドよりは読みやすいでしょう。

◆段落を分ける方法
① インデント(字下がり)する

※通常は使用している文字サイズの全角インデントとなります。
インデント・行が短い場合

※行が長い場合は、使用文字サイズの全角+半角、または2倍角程度インデントをします。
インデント・行が長い場合

② 行間を空ける。

※前の段落との間を、行間より明らかにあけて(1行アキ程度)次の段落を始めます。
行頭のインデントで段落を分けるよりも、意味の流れあるいはテキストのトピックが大きく変化する場合に使用されることが多いので、注意しましょう。
とくに、インデントで段落を分ける方法と行間を空ける方法が併用されている場合は、後者ではトピックが一度途切れて変化することを意味します。

※フラッシュ・レフトの場合のインデントは、ジャスティフィケーションの場合よりもやや広めにして、段落の開始を明確にします。
※あるいは、インデントしないで1行あけて新しい段落を始めます。

③ 特に指定がない場合に限り、第1段落はインデントしない。

ただし、編集方針やハウス・スタイルでは第1段落でもインデントするという指示がある場合は、それに従います。

◆段落の組み方での注意点
① ウィドウ(widow)はなるべく避けることが望ましいです。

ウィドウ(widow)
上の例のように、次の段に続く段落の最終行が、とくに極端に短い行(1-2単語、または前行の単語が分綴されて分かれた残りの綴りだけ)になる現象は、見苦しいとしてウィドウと呼ばれて避けられるのが習慣となっています。

また、段落の最終行が、次の段落または次のページの第1行目で終わり、極端に短い行になる組み方もウィドウであり、避ける事が望ましいです。

ウィドウ(widow)

② オーファン(orphan)はなるべく避けることが望ましい。

オーファン(orphan)
段落の第1行目が、ページまたは段の最終の行となることは、「オーファン」と呼ばれて、避ける習慣があります。近年では許容する場合が多くなっています。

また、見出しの行がページまたは段の最終の行となることも「オーファン」として、避けられます。
オーファン(orphan)


あるいは見出しとそれに続く段落の第1-2行目しか収まらない場合(下図)も、すぐ次の段かページに送ることがあります。

オーファン(orphan)

2. 見出し

① 見出しとは
  • メッセージの内容を簡潔に分かりやすく表す一種のタイトル、標題、題目のこと。
  • 書物・新聞・雑誌・報告書・カタログなどのあるまとまった文章や記事について、その内容やキーワードが一目で分かるようにつけた標題のこと(ヘッド、ヘディング、ヘッドライン)。
② 見出しの役割
  • テキストの内容やキーワードを一目で読み手に知らせます。
  • 何がどこに書かれているかを段階的に示します。
③ 見出しの組み方
見出しのことばは目を引くように魅力的に組む必要があります。 「魅力的」とは?

あくまでもテキストを要約することばとして、他のメッセージやテキストと区別・差異化がなされることであり、そのためにはテキスト書体との違いが分かるように変化をつけることが必要です。 テキスト書体との関係は、調和しつつもはっきりと区別させる工夫が必要です。

◆見出しの序列と書体選択

本文との差異化(序列化)の方法:全体のバランスやテキストの内容、または分量に依存します。

① 見出しの序列

基本的には、

  • 大見出し>中見出し>小見出し など
  • A見出し>B見出し>C見出し など

のように、大から順に中・小へ、Aから順にB・Cに、見出しの及ぶ範囲が狭くなります。

  • 需要度に応じて序列・等級差をつける。
  • 見出しのレベルにはそれぞれの縄張り(支配する範囲、影響を及ぼす範囲)がある。
② 見出しの書体
  • 何種類かの見出し語を組むには、同じ書体ファミリーの中から選ぶ方法が基本となります。
  • 見出しの重要度(「縄張りの広さ」)に応じたサイズやウェイトで本文と分けます。
  • サイズによる差異化は、本文の文字サイズより1.5-2ポイント大きめ。
  • サンセリフ書体か本文書体と同じファミリーから選ぶと無難です。
  • 同じファミリーが無い場合には、書体の相性を考えて慎重に選びます ※混植ルール参照
◆見出しと段落本文
見出しのスタイル
  • ひとつの書籍や雑誌内では一貫して同じスタイルにすること。
  • 雑誌では、章(内容)の構成・テーマ・書き手が変われば、それに応じた変化もあり得ます。
見出し語と段落本文との関係
  • 段落本文に見出しが付く場合は、見出しの順位(序列)に応じて以下のページのようなスタイルがあります。
  • ヘッド、ヘディング。ヘッドラインとは見出しの行という意味。
◆見出しの種類
① クロス・ヘッド(Cross-head)

他のスタイルよりも強調度が強く、見出しのレベルも上になります。 クロス・ヘッド(Cross-head)

② ショルダー・ヘッド:コンヴェンショナル・スタイル(The conventional style of shoulder-head)

ショルダー・ヘッド:コンヴェンショナル・スタイル(The conventional style of shoulder-head)

③ ショルダー・ヘッド:ニータ・スタイル(A neater style of shoulder-head)

ショルダー・ヘッド:ニータ・スタイル(A neater style of shoulder-head)

④ ハンキング・ショルダー・ヘッド(Hanging shoulder-head)

伝統的ではないですが、見掛ける頻度が増えています。
ハンキング・ショルダー・ヘッド(Hanging shoulder-head)

⑤ サイド・ヘッド(Side-heads)

ショルダー・ヘッドよりも目立たない形式です。イタリック体にすることが多いです。
サイド・ヘッド(Side-heads)

⑥ サイド・ヘッド:インデンテッド(Indented Side-heads)

本文に準じるまたは組み込ませる形式です。イタリック体にすることが多いです。
サイド・ヘッド:インデンテッド(Indented Side-heads)

⑦ その他

名称は特にありませんが、マージナル・ヘッド(Marginal Head)とも呼べます。 マージナル・ヘッド(Marginal Head)

◆見出しに序列をつけるための記号

章・節・段落あるいは大見出し・中見出し・小見出し……(A見出し・B見出し・C見出し……)といった、見出しのレベル(序列化)を明示する場合の記号の付け方には、以下標準的な原則があります。 Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ. A.B.C. 1.2.3. a.b.C. (1)(2)(3) (a)(b)(c)

  • 見出しの記号は、書き手(執筆者)または編集者が決めます。
  • 番号・記号のサイズは、見出しのレベルに応じて変化をつけることが一般的です。
  • 上の序列は一例であり、上の原則に従っているとは限らない場合もあります。