イニシャル・レター

1.イニシャル・レターとは

欧文組版における第一段落で、最初の単語の最初の文字を大きなサイズの大文字で目立たせて示す時に使う文字のことです。
また、イニシャルに飾り付き文字を使用する場合もあります。

2. イニシャル・レターの起源

  • 手書きで書物を製作していた写本の時代に、大きな区切りの段落が始まる最初の文字を、華やかな色彩をつけた大文字で描いていました。
  • 印刷技術が発明された15世紀中頃から15世紀末までの初期印刷技術より制作された書物をインキュナブラ(incunabula)と呼びますが、その時代になると、印刷されたページに後から手書きによって装飾的で大きな文字を描いています。 これがイニシャル・レターの基になります。インキュナブラは「揺籃期(ようらんき)本」とも言います。
  • その後は、その装飾文字の代わりに大文字の活字(または木活字)で組みました。

3. イニシャル・レターの効用と使用の注意点

  • 書物では古風で中世的な趣を出すときや、アクセントとして使うことがあります。
  • イニシャル・レターは大げさな文字ですので、使用機会は少ないですが、使い道は工夫次第となります。
  • 段落に見出しがある程度には、イニシャル・レターの使用を控えることが多いです。

4. 書籍で使う場合

  • 段落が比較的多く、テキスト量が大量な場合に使うと効果的です。

5. 広告で使う場合

  • あまり多用することを推奨しませんが、堅い内容ではに雑誌や広告などで、人目を引きつける必要が有る場合に使うと効果的です。

6. イニシャル・レターのスタイル

以下のように2種類のスタイルがあります。

① ドロップド・イニシャル(Dropped initial)……埋め込み型
  • 最初の段落の最初の文字を、2-3行分のサイズで段落の始まりに組み込む様式。
  • イニシャル・レターのキャップラインとベースラインを本文の行と合わせます。
  • イニシャル・レターの左側の余白が他の行頭と視覚的にそろうように微調整をします。
  • ※大文字またはスモール・キャップで組む。
  • ※数単語分を大文字またはスモール・キャップで組み場合もあります。

和文をドロップド・イニシャルで組んだ場合

欧文をドロップド・イニシャルで組んだ場合 ※イニシャル・レターと本文書体が同じ場合

欧文をドロップド・イニシャルで組んだ場合 ※イニシャル・レターだけ別の書体の場合


② レイズド・イニシャル(Raised initial)……飛び出し型
  • 最初の段落の最初の文字を、本文サイズの2-3倍で段落の始まりに組む様式。
  • イニシャル・レターをテキストの1行目より上にはみ出させて目立たせます。
  • イニシャル・レターのベースラインを、テキストの1行目にあるベースラインに合わせます。
和文をレイズド・イニシャルで組んだ場合
欧文をレイズド・イニシャルで組んだ場合 ※イニシャル・レターと本文書体が同じ場合
※イニシャル・レターに準じるスタイルとして、段落1行目をスモール・キャップで組む場合もあります。