基本的な用語

【この記事で紹介する内容】

1. 仮想5本線と文字の高さ

欧文の文字設計で、文字のプロポーションを設計するための仮想の線を指します。
仮想5本線

名称 内容
アセンダー・ライン(Ascender Line) 小文字のミーン・ラインより上に突き出た部分の上を示す線
キャップ・ライン(cap line) 大文字の高さを示す線
ミーン・ライン(mean line) 小文字の高さを示す線
ベース・ライン(base line) 大文字や小文字の下の並び線
ディセンダー・ライン(descender line) 小文字のベース・ラインより下に突き出た部分の上を示す線
ボディ(body) 活字の字面が収まる上下の範囲。サイズのこと(ボディ・サイズ)・書体を設計するときにこの範囲内にこの原字を書きます。 ・上下はアセンダー・ラインからディセンダー・ラインまでよりもわずかに長いです。 ・左右は文字幅により異なりますが、各文字の幅よりもわずかに長いです。この左右の文字幅よりも広いわずかなアキのことを、「サイド・ペアリング」と呼びます。
キャップ・ハイト(cap height) 大文字の高さ
エックス・ハイト(x-height) 小文字の高さ(アセンダーやディセンダーのない小文字)、ベース・ラインとミーン・ラインの間
セット(set) セット・ウィドゥス(set width) 文字の幅を決めるための仮想の縦線を設定する方式 → ユニット(unit system)

2. 文字活字の部分名称

欧文の文字設計で、文字のプロポーションを設計するための仮想の線を指します。

【和文の部分名称】

和文の部分名称

・重要な名称
横画 / 縦画 / 左払い / 右払い / 折れ / 打ち込み / 点 など

【欧文の部分名称】

欧文の部分名称

・重要な名称
セリフ(serif)/ ステム(stem)/ アセンダー(ascender)/ ディセンダー(descender)/ カウンター(counter)/ ボウル(bowl)/ ヘアライン(hairline)/ バー(bar)/ ストレス(stress)
※セリフとは……文字の起筆や終筆その他の部分に施された小さく突出した部分のことです。

・その他の名称
アーム(arm)/ フット(foot)/ スパイン(spine)/ イアー(ear)/ ドット(dot)/ アーク(arc)/ テイル(tail)/ ビーク(beak)/ ループ(loop)/ スパー(spur)/ リンク(link)/ ショルダー(shoulder)/ アクシス(axis)/ アペクス(apex)/ ターミナル(terminal)

3. サイズ

名称 内容
ポイント(point) 1 / 72 inch = 1 point → PCでは1pt = 0.3528 mm
American point: 1pt = 0.3514 mm → 米、英、日などで採用。
Didot point: 1pt = 0.3759 mm → ヨーロッパ諸国で採用。
パイカ(pica) 1 pica = 12 pt 組幅つまり行長や仕上がりからの余白を決める時に使用していました。
メジャー(measure) 組幅、行長
デプス(depth) 行数、行の占める縦のサイズ
レディング(leading = interlinear space) 行間、日本ではインテルとも呼ばれました。 行送り = B to B(Baseline to Base Line)
エム(em quad) 全角(mutton quad)
エヌ(en quad) 半角(? Quad)
アルファベット・レングス(alphabet length、a – z length) AからZ(またはaからz)までを並べたときの長さ
スモール・サイズ(small size) 小さいサイズ(6 – 8pt)
テキスト・サイズ(text size) 本文用サイズ(8 – 12 or 14 pt)
ディスプレイ・サイズ(display size) 見出しサイズ(14 pt以上)

4. ウェイト

ウェイト(weight)……ストロークの太さ。よく書体名に「L」「R」「M」といった英字がついていますが、これはウェイトの太さを指します。

【基本的な種類】

  • L = Light = 細い
  • R = Regular = 標準
  • M = Medium =中間
  • DB = Demi Bold = 中太
  • SB = Semi Bold = 中太
  • B = Bold = 太
  • EB = Extra Bold = 特太
  • B = Black = 極太
  • U(UB) = Ultra Bold = 極太
  • H = Heavy = 超極太

その他……Wの次に数字でウェイトを差別化する書体もあります。

  • 本文用……ultra light / light / thin < medium / regular / book / normal / roman
  • 見出し用……semi-bold < bold < extra-bold ≦ ultra-bold ≦ heavy / fat ≦ Ultra black
【ウェイト比較】

ウェイト比較

【かなの種類】

KS = Kana Small = 漢字にたいしてかなが小さめなサイズ
KL = Kana Large = 漢字に対してかなが同じくらいに見えるサイズ

5. 文字に関する用語

  • 活字
    文字を表すもののことを指し、印刷用文字書体とも呼ばれます。
    • 規格品……金属活字の時代では、号やポイント(pt)ごとに決められたサイズで設計されました。現在では、次の2種類に決められています。
      • インチ法に基づく「ポイント(pt)」
      • メートル法に基づく「級(QとH)」
    • 複製・再生可能な部品……同じ文字形象が何度でも使えます。そのため、大量複製(大量印刷)用文字とも呼べます。
    • 手書き文字をモデルにして様式化した文字……小さいサイズの本文用と大きいサイズの見出し用(ディスプレイ用)があります。筆記具によって生じる書体の差異があります。
      【参考文献】 ・ちくま 第113号・復刊2号 「活字のはなし1 活字のこと」 著:矢作勝美  (1980年8月 / 筑摩書房)
      ・ちくま 第114号・復刊3号 「活字のはなし2 字体と書体」 著:矢作勝美  (1980年9月 / 筑摩書房)
  • 種字
    母型(字母ともいう)の原型(欧文では父型に相当する)となり、活字を作る元の文字にあたります。基本的に、種字彫刻師によって彫刻されもののことを指します。
    【参考文献 ちくま 第151号 「活字のはなし3 種字と母型」 著:矢作勝美  (1980年10月 / 筑摩書房)】
  • グリフ(Glyph)
    「字体」とほぼ同じ意味。データとしての字体で呼ぶ事が多いです。
    文字だけでなく、記号やスペースなども含みます。 → グリフ・セット(Glyph set)
  • 字体
    文字の点画からなる骨格のこと。詳しく言うならば、2.文字活字の部分名称で解説しているそれぞれの点画・部分を組み合わせてできた漢字・アルファベット等の文字のことを指します。
    「図形文字の図形表現としての形状についての抽象的概念」(JIS)
  • 書体(Typeface)
    文字の骨格(字体)に一定の意匠(デザイン)を施し、様式化した文字のことを指します。
  • Font(Fount)
    元来はある書体のあるサイズを指します。現在はTypefaceと同じ意味合いで使われています。
    【参考文献 ちくま 第114号・復刊3号 「活字のはなし2 字体と書体」 著:矢作勝美  (1980年9月 / 筑摩書房)】

6. 記号活字(記述記号)

活字には様々な意味をもつ記号活字もあります。日本では明治20年代頃に句読法として確立されました。

①区切り記号句点……文章の終止を示す際に使います。
記号 名称、意味
句点(くてん)、句読、マル
ピリオド(Period)、ピリ、フルトップ(Full stop)、終止符※小略符や小数点などに使います。
読点……語句を区切って文を読みやすくしたり、誤読を避ける際に使います。
記号 名称、意味
読点(とうてん)、テン
コンマ、カンマ(Comma)、句点※文を区切ります。
中黒(なかぐろ)、中ボツ…… 名詞を並列するときの区分に用います。
アポストロフィ(Apostrophe)※省略・所有格・複数を表します。
コロン(Colon)「それは」「たとえば」の意味。説明、引用文の前に置きます。
または数字の間に入れる句読記号。
【注意】
・items: beddingのようにコロンの後はワン・ストローク(25%)あけます。
・また、コロンの前の語がイタリック体の場合は、コロンもイタリック体にします。
セミコロン(Semicolon)※ピリオドとコロンの中間の機能を持ちます。互いに強い関係があって、等位接続詞で結ばれる複数の主題を提示するときに使用します。
【注意】
shrieked: horns セミ・コロンの後は、ワン・ストローク(25%)あけます。
また、セミ・コロンの前の語がイタリック体の場合は、イタリック体にします。
shrieked: horns
疑問符、耳だれ、クエスチョンマーク(Question Mark)※疑問符 ※疑問文の後に置きます。
感嘆符、雨だれ、エクスクラメーションマーク(Exclamation Mark)※感嘆符 ※驚きや感動を表します。
!? ダブルだれ
& アンド、アンパーサンド(Ampersand)社名や商品名に使い、本文中やタイトルでの接続詞の代わりとしては使用しません。
ラテン語のetの合字からできた and の省略記号。
Ampersand は造語で、 et per se, andが転訛し、 and per se, and からampersand になりました。
/ / 斜線、スラッシュ、ソリダス(Solidi / solidus)※「ストローク」「オブリーク」「ダイアゴーナル」などとも呼ばれています。
orの代わりであって、andの代わりとはなりません。
【使い方】
略語として使用します。例:either/or, his/her, on/off
ただし、本文中では or と綴るほうが正式となります。
括弧()<>……特定の語句・引用文を区切り、限定もしくは区別するために使います。
記号 名称、意味
( ) 丸括弧、パーレン(Parentheses)
〔 〕 亀甲(きっこう、縦組み用)太カギ
【 】 すみつきパーレン
[ ] ブラケット(Brackets)、角括弧、Hooks※大括弧として使います。
{ } ブレース(Brace)、波カッコ語または行をまとめる洋弓型の記号。片括弧として大きく括るときは、数行にわたる組み立てブレース(cook-and hens)があります。
※数学では中括弧と呼びます。
〈 〉 山ガタ、山パーレン
《 》 二重山ガタ
< > ギュメ
‘ ’ “” 引用符 、クエスチョンマークス(Quotation Marks)※引用文の前後に置く一対の符号。
② 省略記号・つなぎ記号
記号 名称、意味
ハイフン(Hyphen)、ハイフンマイナス、ツナギテン、連字府(れんじふ)※語の連結や分割(文綴)を示します。
半角ダッシュよりも短い線で、複合語をつくるときや、行頭・行末揃えの際に行末まで分綴する必要があるときに挿入します。その作業をハイフネーションといいます。
二分ダッシュ、ナカセン、半角ダッシュ(en -dash)【使用方法】
1.to または through の意味に使うとき。(e.g. January 10–15)
2.名刺を同等の扱いでつなぐ時。(e.g. East–West)
3.文字を数字、数字同士をつなぐとき。(DC–10 / 2-3)
全角ダッシュ(em-dash)、ナカセン※構文の中断・変更・語の省略。
  • 1.思考を中断し、説明や強調したいことを挿入するとき。括弧やカンマと同様に扱います。
  • 2.話し言葉が不完全なまま終わっていることを示すとき。
  • 3.コロンの代わりに使う。(ダッシュの前後は空けても空けなくてもよい)
—— 2倍ダッシュ、ナカセン、2倍角ダッシュ(2-em dash)いくつかの文字が抜け落ちている事を示します。(ダッシュの前後は空けません)
——— 3倍角ダッシュ(3-em dash)【使い方】
  • 1.単語が抜けているとき。(前後に必ずスペースを設ける)
  • 2.書籍リストで著者名の繰り返しを避けるために使います。
【注意】
The party lasted—we knew it would!—
She has but one hobby—chocolate.
※基本的にはダッシュの前後のスペースは空けません。ただし、接近しすぎて見苦しいときは、やや空けても良いです。(ディスプレイの場合は、調整すること。)
波形、波ダッシュ
= 二重ハイフン、ツナギ
(3点)リーダー、テンテン、エリプシーズ(Ellipses)、スリー・ドッツ※省略を表します。
③その他の記号
記号 名称、意味
アステリスク(アスタリスク)、スター、星印
ダガー、短剣符、剣標※参照・没年を表す時に使います。
ダブルダガー、二重短剣符、二重剣標
§ セクション、セクション・マーク(Section Mark)、章標※章より低いレベルの節を指します。
パラグラフ、パラグラフ・シンボル(Paragraph symbol)、段標
パラレルズ(Parallels)、並行標
ナンバー、ナンバー・サイン(Number sign)、番号符
♯ シャープ
♭ フラット
● 黒丸
○ 白丸
◎ 二重丸
◉ 蛇の目
① 黒抜き数字・白丸数字
❶ 白抜き数字・文字
※ 米印、米
【参考文献 ちくま 第121号 「活字のはなし9 記号活字」 著:矢作勝美  (1981年4月 / 筑摩書房)】